太陽が東へ沈むまで

毎日新しいこと発見。ネガティビスト脱却宣言。好きなものは全部繋がっていくと信じている凡社会人1年目がお送りします。

今週の新譜(1/12-18)

流石に聴く時間も考慮すると、新譜リリース1週間後にまとめることになりそうです。そうします。というわけで、厳密には先週の新譜ですがどうぞ。

 

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【Trapped in Chaos / Dust Bolt】

Trapped in Chaos

Trapped in Chaos

  • DUST BOLT
  • メタル
  • ¥1650

ドイツのスラッシュメタルバンド、4th。平均年齢25歳の若手スラッシャー。金切りボイスだけじゃないスラッシュが好きなので、こういうの大好き。ザクザクリフで押せ押せの一方、爆走一辺倒にはならずミドルテンポで始まりつつ欲しいところで疾走する展開の曲が結構あるため、勢いとしては割と落ち着いていて円熟味を感じる。聞き手によっては物足りないと思うかも。リフの開放弦を交えた組み立て方は相変わらず巧みだな。"Trapped in Chaos"の後半でMetallica"Moth Into Flame"っぽいリズムのリフがちらっと顔を出すのはご愛嬌ですかね。"Another Day in Hell"のようなバラードも出来るってのが喚きと共に歌えるボーカルだからこそ。この曲、バラードでありドゥーミーな進行なのが面白い。物悲しげなアルペジオで進みつつも、泣かせる感じではない。緩急のある流れで締まる終わり方。良いです。

 

【Assume Form / James Blake】

Assume Form

Assume Form

英シンガーソングライターの4th。ダブステップの手法を用いる、それでいてボーカルや歌詞も柔らかに乗せて広がりを見せるのが上手なアーティストという印象があるのですがどうかしら。ダブステップといっても声がソウルフルで穏やかに進むから踊るというより聴き入る。SSWといっても特殊なのかな。個人的にSSWには思うところがあって、音ではあまり差別化を図れないのかな、と考えている。自分以外固定メンバーはおらず、バンドアンサンブルは編成によって多々変わることがあるから、ある程度音楽性の幅は広がるが音の記名性は少ない。メロディの個性と声と、作詞勝負。aiko阿部真央あいみょん槇原敬之星野源、米津玄師、etc... 1人で曲を書きギターなりピアノなりで弾き語る表現者は編曲も大事だと思わされる。全て自分で作詞作曲編曲して演奏までする人は別ですよ。その過程を可視化させたのが奥田民生の「ひとりカンタビレ」「カンタンカンタビレ」だと思いますが、詳しくは別の機会ということでこの辺で。アルバムのレビューしてないな、"Tell Him"の不穏な空気良いです。

 

【The End of Chaos / Flotsam and Jetsam】

The End of Chaos

The End of Chaos

  • フロットサム・アンド・ジェットサム
  • メタル
  • ¥1650

スラッシュメタルバンドの14th。いまいち煮え切らずハマりきれない中途半端さが前作まではあったけど、今作結構良くない?"Demolition Man"の歌メロ、少し手前で曲がる変化球でにやりとする。"Unwelcome Surprise""Snake Eye"のような疾走曲もブレイクしたりベースゴリゴリ鳴ってたり面白い。今作では、Overkillに移籍したJason Bittnerに代わってKen Maryが加入して叩いているのが功を奏したか。スラッシュメタルが聴きたくなってこれにするかーとはならんけど、ふと思い出すかも。それくらい意外な良盤。

 

【Get It Out / Altitudes & Altitude】

Get It Out

Get It Out

  • アルティチューズ&アティチュード
  • ロック
  • ¥1900

AnthraxのBa.Frank BelloとMegadethのBa.David Ellefsonのプロジェクト、1st。クレジットを見るとFrankはリードギターリードボーカル、8弦ベースを担当。Jrは4弦5弦8弦10弦ベースとリズムギター担当。A Perfect CircleのJeff Friedlがドラム。2人の所属バンドは所謂スラッシュメタル界BIG4の2組なのでヘヴィな音像を期待してしまいがちですが、そうイメージしながら聴くと肩透かしを食らう。非常にコマーシャルで、Foo Fightersを思わせるアメリカンロック的な音。リフ主体というよりは、歌モノとして聴くのが適当かな。ベーシスト2人の作品だからといってメインがベースというわけでもなく。所々主張する場面はあるけど、曲自体が面白みに欠けるのでいまいち。ホームじゃ出来ないことをやろうって息抜きがてら作った感じですかね。それ以上の何かはない。

 

【Please Remain Seated / Thunder】

英国ロックバンドのセルフカバー作品。過去作をアレンジしたもの。落ち着きのある、洒落た雰囲気になってます。Vo.Danny Bowesの枯れた味わいがよりマッチしている。派手さはないが素敵。

 

【The New Normal / Kane Roberts】

THE NEW NORMAL

THE NEW NORMAL

  • ケイン・ロバーツ
  • ロック
  • ¥2000

Alice Cooper Bandの元ギタリスト、6th。ビジュアルはランボーのようなマッチョ。Alice Cooperの長いキャリアの中でも不遇だった時期のギタリストのようで、全面参加は『Constrictor('86)』『Raise Your Fist and Yell('87)』の2作、その後脱退し、Aliceが復活を遂げた『Trash('89)』では1曲のみの参加。その後はソロ作をリリース(Cherのカバー"Does Anybody Really Fall in Love Anymore?"がBillboard Top100で38位にチャートイン)、Steve Vai『Sex & Religion』やDesmond Child『Discipline』などでバッキングボーカルを担当しています。2作とも聴いたことあるのに全然知らんかった。

てことで、今作は7年振りのソロで、Alice人脈のミュージシャンが大勢参加。Alice組からはAlice Cooper御大、次世代フィメールギターヒーローのNita Strauss、Kip Winger、Arch Enemyからはどこにでも顔を出すAlissa White-Gluz、そしてKatt Franich(カバーで共演)、BABYMETALのDr.青山英樹という豪華客演。今作、ゲストもさることながら曲の出来が良い。音質に目を瞑ればクオリティは高く、Kaneの声質もJeff Scott Sotoのような熱唱系なのでメタリックで硬派な曲に合っている。あと総じてアレンジが絶妙。緩急のある展開でスリリングに聴ける。"Beginning of the Dead"はAlissaとAliceの使い方が上手い。気持ちいいところにAlissaのクリーンとデスボイスがハマってる。Aliceの一声でおどろおどろしさの演出が作れるのもでかい。歌メロも秀逸の1曲。"Leave Me in the Dark"は何故かLacuna Coil、Amaranthe、Within Temptationを思い出す、ゴシック的な感触。この界隈をこよなく愛する方々は諸手を挙げて喜べる1枚です。彼の過去作を遡って聴いてみると、良質なハードロックアルバム揃い。80年代HR万歳!

 

【Micro EP / Jinjer】

Micro - EP

Micro - EP

  • Jinjer
  • メタル
  • ¥900

ウクライナメタルコアバンド、EP。最初聴いた時「ツインボーカルね」と思っていたら、女性がグロウルとクリーン使い分けてました。"Ape"の初っ端から、耐性無い人が聴いたら頭痛くなるんじゃないかと心配しそうなプログレッシブ&アグレッシブ。"Teacher, Teacher!"の静と動も映えますね。ベースが面白いなー。


【Sympa / King Gnu

日本のミクスチャーバンド、メジャー1st。トーキョーニューミクスチャースタイルを掲げる通り、一過性では終わらない本格的なミクスチャーになっていると思う。同世代がこんなの作れんだ…。発売日にYouTubeでリリース記念ライブを配信してたんですけど、Gt.常田さんの縦横無尽なギタープレイ、アーミング使いつつハードでトリッキーな音出してて驚いた。ライブ観に行きたい。全員実力者で嫉妬しかない。シンセやギターの単音リフから始まる曲が多くて、それがまた陽に振り切れない程度にウィットでキャッチー。"Flash!!!"はフレッシュ・エネルギッシュ。"Hitman""It's a small world""Prayer X"は00年代中盤、CDが売れてた時代のJ-POPのエッセンスを感じるし、所々90年代後期のサザンっぽいフレーズもあって、それが懐かしさを感じさせる所以なのだろうか。そのノスタルジーに現代の売れる要素も加わったらそりゃ敵なしでしょう。"Bettown"のイントロAメロメロディはMr.Children"ボレロ"、さらにその元ネタのSting"Englishman in New York"風なんだけど、決してパクりではなく昇華されていて、サビから後半のヴァースはベースラインから何からエグい。根底にはシリアスな感情があるんだろうなと思わせる"The Hole"、ストリングスが余韻を引き立てる"Sympa Ⅳ"で姿を消す。久々にアルバム買って応援したい邦バンドが出てきた気がして震えてます。

 

【Native Tongue / Switchfoot

オルタナロックバンドの11th。彼らはRight-onのCMに使われた"Mess of Me"で知ったニワカです。あれ9年前なんだね。最近CMを観ることがないから、CMで知らないバンドを知ることが少なくなってきた。Jimmy Eat Worldの"Sweetness"とか、こいつら知らんけどカッケーていう衝動。QueenBon Joviみたく、日本で最初に火がついて世界的バンドに…ってサクセスストーリーは生まれづらくなってるんだろうな。それはさておき、あそこまでドリーミーでポップではないものの、声質と歌い回しがColdplayを連想させる。前作、前々作に比べるとロック色は減退してますが、歌メロの充実ぶりは相変わらず。より売れる音に接近した様子。

 

【Why Hasn't Everything Already Disappeared? / Deerhunter】

Why Hasn't Everything Already Disappeared?

Why Hasn't Everything Already Disappeared?

  • Deerhunter
  • インディー・ロック
  • ¥1500

米インディーサイケロックバンド、8th。特に感想は…。この手のバンドは好きになろうとは思っても、なかなか触手が伸びない。名前は知ってるのでライブラリに追加して聴いたけど、やはり自分の中では引っ掛かりが少ない。入門的な作品があれば教えてください。


【Who Do You Trust? / Papa Roach

米ニューメタルバンドの10th。このバンドもなー、名前だけで敬遠してしまう。可もなく不可もなく。このジャンルに真新しさは求めちゃいけないね。

 

【Live at the Symphony Hall / Magnum】

Live at the Symphony Hall

Live at the Symphony Hall

  • Magnum
  • ハードロック
  • ¥1500

英国メロディアスハード界の重鎮Magnumのライブアルバム。Bob Catleyの声とTony Clarkinのソングライティングがあればそこに英国の郷愁が見える。齢72にして未だ現役クリエイター。Tonyは毎度のことながら全曲作ってるんですが、結成からほぼ1、2~3年置きに新曲リリースしてるのが凄い。絶対的な名曲はなくても安定した作品を届けてくれる。そして、ライブでも過去の栄光にすがることなく、近作からの曲と旧作からの曲を織り交ぜたライブを展開しております。