太陽が東へ沈むまで

毎日新しいこと発見。ネガティビスト脱却宣言。好きなものは全部繋がっていくと信じている凡社会人1年目がお送りします。

柔と剛、軟と硬。

1週間前、下痢に悩んでいた。今では数少ない後輩と飲みに行き、毎度のごとく別れた後から記憶がない。帰路と、寝るまでの行動が全く思い出せない。

人といる時は気が張っているのだろう、酔い潰れた者がいれば介抱するし、部屋までおんぶして朝まで安否を確認することもある。脳が俺にしっかり者のフリをさせるのだ。しっかりしているから、部屋まで連れて行くのが女性だとしても、ベロンベロンの状態であれば手を出さない。父娘のように見守る。下心よりも心配が勝つ。スーフリ事件のクソ野郎共は、ここから先が真の目的だろう。あれは犯罪である。俺は「楽しく飲む」が目的なので既に果たしている。リスクを負ってまで性欲を満たそうとする人の気が知れない。非常に男性的な考えだと、ヤるのだろうか。相手が好意を寄せてくれてあわよくば、のスタンスは崩さないでいたい。

全く思い出せない、に戻る。全く思い出せないことはない。集中力の切れた酔いどれは部屋で酔いが回り好き勝手しているから、朝起きれば、酔った俺の形跡がいくつかある。これで断片的に記憶が蘇る。この日は机上に大量のチョコレートが撒かれていた。朝食にしなさい、と酔った俺の献身的なメッセージである。当然片付ける。片付けながら、服装が寝間着になっていることに気づく。酔った俺は、律儀にジャケットをクローゼットに仕舞い、気持ちよく寝る態勢を整えてくれていた。ありがとう。だが、毛布をあげると甘い匂いがする。出どころを探す。あった。体温ですっかり溶けたアポロチョコだ。毛布についているのが不幸中の不幸、その日の午前中はチョコレートバスターズを結成、期間限定の清掃活動を行い、そんなことをしているとお腹が緩いことが発覚する。

 

次の日も、その次の日も出るものが緩い。もしかして:ノロウイルス と浮かび、病院へ向かう。診察は、いつも馴れ馴れしく話してくる女医だ。もう30歳若ければ、喜んで喋って延長もしたいしシャンパンも入れたいくらいだが、病院だしそうもいかない。おばさんはスーパーナチュラリストのようで、レントゲンや腹部のエコー検査(ジェルを塗られるあれ)もなしに、お腹を押すだけで「インフルでもノロでもなく胃腸炎、ストレスからくるやつだね」と言う。俺は診察室の、医師の後ろに何人か立っているアシスタントが鬱陶しくて仕方なかった。複数の女性に、沈黙の中お腹を晒すなんてとんだ羞恥プレイじゃないか。あれはやめた方がいいです。すげぇ気になる。女医は薬を出してくれた。あの超能力者の言う通り、ただの胃腸炎だった。しばらく水性の下痢止めや凝固系の薬を飲んでいたら、すっかり腹痛や下痢に意識が持っていかれることもなくなり、すばらしい日々を送れるようになった。ぼくらは離ればなれ、やっほいである。

 

それから1週間後。今は朝9時だ。お腹が痛い。トイレに駆け込むと、硬いものがちょろっと出る。どれくらい硬いかと言うと、人を殺す鈍器になり得るくらいだ。触っていないため諸説あり。硬さは下痢に比べれば全然問題ない、それより尻切れとんぼなのだ。まだでたがっている排泄物はあるはずなのに、これ以上出ない。便秘、と言うやつだろうか。お腹が痛いのに出ないのは、下痢よりも厄介かもしれない。良くなる薬は良いところで止めておかないと、毒薬にもなる。今が踏ん張りどころである。